2017年05月01日

アンテナ「バースデー」

「仙台のスピッツ」

なんていうキャッチコピーを勝手に付けて以前から応援しているバンド、アンテナ。
仙台を拠点として活動を続けている男性4人組バンドですが、このバンドの魅力は何と言ってもスピッツに例えたくなってしまうほどの楽曲の良さ。
普遍的なポップスを作るセンスは、最近の若手バンドの中でもトップクラスだと思います。
特に大好きな曲が「バースデー」。
イントロの時点から始まる、切なくてどこか退廃的なムードがたまらなく好きです。
そこに加わってくる、ボーカル渡辺さんのちょっとハスキーで切ないハイトーンボーカルが楽曲の世界観にピッタリ。
切ないムードの中で、「朝日がまだまだ僕らのこと待ってる」という、新たに生まれ変わる希望を歌った歌詞が映えてきます。
歌声を草野マサムネに変えて脳内再生してみるとものすごくしっくりくるので、みなさんも是非やってみてください。
アンテナのライブでこの曲聴いていると、渡辺さんの顔がだんだん草野マサムネに見えてくるほどです。

現在の日本の音楽シーンってどうしてもライブ至上主義的なところがあって、フェスでおなじみのライブキッズ御用達のバンドばかりにスポットライトが当たりがち。
CDが売れない時代に収益源がライブにシフトするのは自然なことなのかもしれませんが、いわゆる「歌モノ」バンドにとっては厳しい時代なのかなとも思います。
もちろん楽曲自体の良さは必須条件で、そこにプラスアルファが求められる時代。
BenthamもBRADIOもサイダーガールも、イベントでは入場規制を連発してきて着実にステップアップしてきたバンドなので、メジャーデビューが決まったのも遅いと感じてしまうぐらい。
グッバイフジヤマはちょっとタイプが違いますが、それでもオリジナリティーのあるパフォーマンスで魅了させてくれるバンドなので、確実に人気が上がっている様子を肌で感じることができていました。
そんな中で、アンテナは、純粋に楽曲の力のみで勝負するバンドだという印象があります。
アンテナのライブは、ステージから煽るようなこともなく、決まった振り付けみたいなものがあったりするわけでもなくて、正直なところ、いたってシンプル。
最近ではライブ映えするようなアップテンポの曲も増えてきましたが、やっぱり純粋に楽曲を聴かせるようなタイプのライブなんですよね。
本人たちもそういう意識で活動しているんじゃないかと思いますが。
でも、余計なことをしなくても楽曲が良ければ伝わる人には伝わるんですよね。
こういうタイプのバンドにもスポットライトが当たるようになるのは、とても嬉しいです。
かつて「大阪のスピッツ」と呼ばれていたバンドは残念ながら解散してしまいましたが、「仙台のスピッツ」には、メジャーシーンでもその楽曲を武器にしてさらに活躍していってほしいと願っています。



アンテナ「バースデー」
2015年5月6日リリース
アルバム「バースデー」収録曲

バースデー - アンテナ
バースデー - アンテナ
posted by なっくる at 00:15| Comment(0) | MUSIC LIFE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月23日

tonetone「桃色」

上海には春と秋が無いらしいです。
夏は日本よりも思いっきり暑くなるし、冬は日本よりも寒い。
寒暖の差が日本よりも激しいんですね。
最近は、そんなことを早速感じる日々。
つい1か月前の赴任してきた当初はコートを着ていたのに、もうすっかりTシャツ1枚でいいような暑さです。
その中間のちょうどいい気候の春の日、秋の日は一瞬で過ぎ去ってしまいます。
「四季」ではなくて「二季」と言ったところでしょうか。
日本の春がちょっと恋しくなります。

そんな上海でも、春の空気を感じる瞬間が無いわけではありません。
日本ほどではないけれど、桜が植えられている公園もあったりして、桜の写真を撮っている人たちの姿を見て、日本と一緒だなとちょっとほっこりしました。
春の風景とともに流れてくる、ちょっと気怠くなるほどほんのり甘い春の空気。
ほんの一瞬だけ春を感じることができました。
そんな瞬間に頭の中で再生されたのがtonetoneの「桃色」。
最近聴いた曲の中で、この曲ほど春の空気を感じさせてくれた曲ってありません。
包み込まれるように甘くて、その中にも弾けるほどフレッシュな躍動感のある春の空気。
自分の中で持っていた春のイメージとこの曲が表現する春のイメージの周波数がピッタリ合致したような感じ。
四季の無い上海でも、この曲を再生すれば、桃のように甘い春の空気を感じることができます。



tonetone「桃色」
2017年3月11日リリース
ライブ会場限定シングル
http://tonetone.jpn.com/
posted by なっくる at 23:50| Comment(0) | MUSIC LIFE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月15日

空気公団/HARCO Good Things 〜一起去旅行吗〜

日本にいた頃は毎週のようにライブハウスに通っていましたが、中国に行くともうライブハウスに行くこと自体なくなってしまうんだろうな…、
と思っていましたが、行ってきちゃいました。
中国に来てからの初ライブ。
本日行われたのは、空気公団の上海公演。
オープニングアクトはHARCOでした。
会場は、上海の観光スポット田子坊の近くにあるライブハウス、MAO Livehouse Shanghai。
そこそこ新しめで綺麗なライブハウスでした。
そこまで広くはないですが、天井が高くて開放感のある会場。
日本で言うところのクアトロをちょっと狭くした感じだと想像してもらえばいいと思います。
雑居ビルの3階まで階段を登らないといけないのは、日本のライブハウスと近いところあります。
前売りチケットの買い方がわからなかったので、当日券230元を購入。
日本円で約4000円弱。
このあたりの物価は日本とあまり変わらないですね。
今回の公演がそうだっただけなのかもしれませんが、チケットには1ドリンク込み。
ドリンクチケットで引き換えるシステムも、日本と一緒でした。
前売りチケットは180元。
見ていると、前売りのお客さんたちは、何やらスマホの画面を見せながら入っていました。
お金はその場で支払っていなかったので、何らかの方法で振り込み済みだったんだと思います。
このあたりは、今後調べておきたいところ。
日本みたいな取り置きシステムは無いかもしれませんね。
お目当てのバンドを聞かれることもなかったです。
チケットカウンターのすぐ先がエントランス。
入って左手側には物販コーナーもありました。
今回の公演がそうだっただけかもしれませんが、椅子が並べられていて自由席のスタイル。
200名分弱の座席がほぼ埋まっていて、立ち見の人もいたと思います。
私が見た限りでは、日本人のお客さんの姿はいませんでした。
お客さんは年齢も性別もバラバラで、若い女性からおじさんの姿まで様々。
どういった経緯で空気公団を知ってライブに来ようと思ったのか、非常に気になります。

HARCO

本日のオープニングアクトとして登場したのはHARCO。
中国に来たこと自体は20年近く前にあったそうですが、海外でライブをするのは初めてだったようです。
今日は、どちらかと言うと実は空気公団よりもHARCOが目当てでした。
HARCOのライブを見るのはかなり久々。
上海で見ることになるとは思いませんでした。
ソロで鍵盤弾き語りのスタイル。

[SET LIST]
Lamp&Stool
親子のシルエット
文房具の音
南三陸ミシン工房のうた
カメラは嘘をつかない
ゴマサバと夕顔と空心菜
世界でいちばん頑張ってる君に

ソロ弾き語りでありながらも、曲ごとに流されるバックトラックによる音の広がりが満足させてくれました。
特に圧巻だったのが、「文房具の音」。
楽器としてクリップとセロテープとホッチキスを使用するのですが、それぞれの文房具から発する音をループマシンに録音して1つのトラックを作り上げるプロセスは、日本語が通じなかったとしても伝わったのではないかと思いました。
MCでは、曲紹介ごとに中国語を使ってみようと奮闘するHARCO。
中国語特有のイントネーション(四声)に苦労している様子に、会場からは笑いが漏れていました。
どれだけ日本語の歌詞が伝わっていたのかはわかりませんが、透明で心地良いHARCOサウンドは、国籍問わず人々を魅了できていたはず。
「ゴマサバと夕顔と空心菜」の異国情緒漂うサウンドは、上海の空気にも馴染んでいたと思います。
もともとHARCOを知っていて今日のライブに来たお客さんはおそらくほとんどいなかったと思いますが、ライブ終了後の物販では、彼の甘いボーカルに魅了された女性のお客さん中心にサインを求める列ができていました。
その様子を見ていてビックリしたのが、お客さんけっこうみんな普通に日本語喋っているんですね。
日本と変わらないライブ終演後の風景に、中国にいることを一瞬忘れそうでした。



空気公団

本日のメインアクト。
海外公演を行うことも多いこのバンドですが、上海でのライブは今日が初めてだったそうです。
メンバー3人にサポートドラムでオータコージを迎えた編成でのパフォーマンス。
空気公団は、昔ちょっと聴いていた時期はありましたが、ライブを見るのは今日が初めてでした。
メンバー全員椅子に座って、ゆったりと音楽を奏でるムードの心地良さ。
ボーカル山崎ゆかりの、まさに空気のように溶けていく透明なボーカル。
力強いベースとドラムが作るグルーヴに、さらに彩りを加える鍵盤の音色が心を踊らせてくれます。
お客さんもみんな派手なリアクションをすることはなかったですが、曲が終われば盛大な拍手が起こり、曲によってはハンドクラップをしたり、思い思いに音楽を楽しんでいたように思います。
中盤には、HARCOとのコラボステージもありました。
HARCOとは違い、MCでも普通に日本語を使って話す空気公団のメンバー。
でもけっこうお客さんにも日本語通じていたっぽいです。
こういうライブに来るお客さんだけあって、ある程度日本語わかる人多いんですね。
中国語でのMCにチャレンジしていた場面もありましたが、会話に困って結局「ニーハオ」でごまかす姿には、会場からも笑いが起きていました。
ライブMCと言えば、次回ライブの告知が定番ですが、上海でも東京と大阪で行われるワンマンライブの告知が行われるとは思いませんでした。
でも、
「私たちも旅をして上海までやってきたので、今度は皆さんも『旅をしませんか』」
という綺麗なまとめ方はさすがでした。
今回のライブタイトルは、まさに「旅をしませんか」の中国語訳なんですね。
ラストの中国語でのパフォーマンスには、拍手喝采でした。
本編終了後にアンコールを求める手拍子が起こる様子が日本と一緒で、思わず笑ってしまいましたが。
日本では4月26日に結成20周年記念アルバム「Anthology vol.0」をリリースする空気公団。
でも今日はなんと、日本での発売に先駆けて、物販でこのアルバムを全世界初リリースしてくれました。
これまでの空気公団の歩みを閉じ込めた3枚組アルバム。
ゆったりと聴き込んでいきたいです。



このライブハウス、日本のアーティストがライブすることも多いみたいで、再来週にはLampの出演が発表されていました。
(平日なので、多分行けないですが。)
先月はThe fin.が来ていたり、昨年来たアーティストを見ても、DEPAPEPE、ハンバート ハンバート、advantage Lucyなど、なかなか音楽通好みのラインアップ。
上海の他の会場では、中孝介のライブが決まっていたりするので、また都合が合えば中国でもいろいろライブに行ってみたいと思います。
posted by なっくる at 00:00| Comment(1) | ライブレポ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月09日

ゴールデンボンバー「#CDが売れないこんな世の中じゃ」

今日は、中国のCDショップ事情を。
上海には、日本人向けのCD・DVDショップがたくさんあります。
CDも売っていますが、店の商品の大部分を占めるのはDVD。
洋画の日本語吹き替え版DVDや邦画DVDが所狭しと並ぶ店内に入ると、ここは日本なのかと錯覚してしまいます。
特に、ドラマやバラエティー番組のDVDボックスの品ぞろえは圧巻。
「どっちの料理ショー」DVDボックスなどという、日本ではあまり見かけないようなレア盤も見かけたり。
しかも安いんです。
「それでも、生きてゆく」と「Nのために」と「きょうは会社休みます。」のDVDボックスを買っても合わせて80元(約1300円)。
新作が店に並ぶスピードも速くて、まだ発売されていないはずの「ラ・ラ・ランド」DVDと「カルテット」DVD BOXを合わせても63元(約1000円)でした。

当然のことながら、これ全部正規版ではありません。
見かけは一見立派なDVDボックスだったりしても、よく見ると印刷が雑だったり。
テレビドラマのDVDは、おそらく放送されたものをそのまま焼いただけなので、提供クレジットも入るし、特典映像なんて気の利いたものももちろん収録されていません。
そういう著作権完全無視のDVDが、あたかも正規版かのように平然と店に並べられているんですね。
アンダーグラウンドな香りを漂わせる路上販売の屋台もありますが、けっこうちゃんとしたショッピングモールのようなところにもそういうDVDショップがテナントで入っていることもあったりします。
店の雰囲気は、日本でいう所のツタヤとかタワレコみたいなもんです。
それでも、売っている物は海賊版なので、日本に持って帰ろうとするのがバレたら税関に止められますのでご注意を。
そういえば、昨日は、上海に渋谷タワレコがあるのを発見しました。
「渋谷タワレコ」という店名の違法DVDショップ。
もちろん、日本にある渋谷タワレコとは何の関係もありません。
店名までパクるのかという。

上海に来て、街を色々散策しましたが、CDやDVDを扱っている店は、たいていこういう海賊版ショップ。
というより、正規のCDやDVDを売っている店をまだ見つけていません。
おそらく、地元の人たちにとっては、海賊版DVDこそが正規のDVD。
そもそも著作権の概念なんて持ちあわせていないのかもしれません。
国民全体がそういう感じだとしたら、音楽業界や映画業界が成長しなくなってしまうのは明らか。
日本でも、CDが売れない音楽業界不況は違法ダウンロードが原因なんじゃないかなどという議論が盛んに行われていて、問題提起するアーティストも多いですが、中国に比べたらまだずっとマシなんじゃないか、と思えてしまいました。
「CDが売れない」どころか、そもそも「CDが売ってない」国なので。


ゴールデンボンバー「#CDが売れないこんな世の中じゃ」
2017年4月5日リリース
シングル

#CDが売れないこんな世の中じゃ - ゴールデンボンバー
#CDが売れないこんな世の中じゃ - ゴールデンボンバー
posted by なっくる at 23:59| Comment(0) | MUSIC LIFE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月04日

グッバイフジヤマ「チェリー」

「カゼマチメロディ」を前から読んでくれている人ならわかってくれると思うけれど、このブログで最も多く登場してきたアーティストは「グッバイフジヤマ」だと思います。
Podcastから流れてきた「星めぐりのこどもたち」を聴いてこのバンドを知ったのが2012年の秋。
今とはメンバー構成もバンド名も違っていました。
どんなバンドなのか全く知らない状態で音源だけを聴きましたが、もうその時点でそのちょっと哀愁を帯びたポップミュージックのセンスが心を鷲掴みにしてきました。
まだ東京以外ではライブをほとんどやっていなかったようなので、「下北沢にて」でようやくライブを見ることができたのが2012年の12月。
名古屋での初ライブとなったのが、ボーカル中山くんの「もしメジャーデビューしたらサッカーボールヘアにします」発言が飛び出した2013年5月のホワラジでした。
ホワラジの記念すべき第1回で、モルグモルマルモとの対バンでしたね。
その後も、THE BOY MEETS GIRLSとかボールズとかプププランドとかONIGAWARAとかザ・ラジオカセッツとか、良質なポップソングを作るバンドとの共演を見に行くこと多数。
TIGHT ROPEでShiggy Jr.との対バンなんてのもありましたね。
サカスプとかミナホとかのサーキットイベントはすっかり常連。
見放題にも欠かせない存在です。
なんて話はもう何回も書いているので、ちょっとしつこいですよね。
本人も言ってましたが、このバンド、初期の頃はわりと尖っていたところがあって攻撃的な楽曲を作っていたりしましたが、今では笑顔に溢れたポップなバンドという印象が強くなりました。
でも変わらないのは、普遍的なポップミュージックのセンス
ちょっとダメな部分もさらけ出してしまうところに共感する人も多いのではないかと思います。

「チェリー」はスピッツの大ヒット曲ですが、最近のグッバイフジヤマのテーマソング的な存在になっていた楽曲。
3月5日にクラブロックンロールでグッバイフジヤマのライブを見たのですが、そのときもオープニングでオーディエンスも含めて全員で歌ったのが「チェリー」。
みんなが歌える曲の力って凄い。
その日がグッバイフジヤマのライブを見るのがもしかしたら人生最後になってしまうかもしれないと思って(そうならないことを祈っていますが)、ライブ終演後、中山くんといつもより少し長めに喋りました。
グッバイフジヤマは、メンバー変更があったりして迷走していた時期があって、正直なところ一時期はこのバンドもうダメかもと思ってました。
でも、今は方向性が固まってきて、今の4人以外は考えられない、そんなベストな状態になっている、そんなことを話したつもりだったけれど伝わったのかな。
そのときに、中山くんが満面の笑顔でこっそり耳打ちして教えてくれたんです。
「俺たち、6月にメジャーデビューするんですよ」って。
私なんて、スタッフでも何でもないただの客の一人でしかないのに、超重要な解禁前情報をさらっと教えてくれる、そんな中山くんの人間っぽいところがすごく好きです。
もしかしたら、そんなところが彼の、というかこのバンドの最大の魅力なのかもしれません。
本当は、メジャーデビュー発表の瞬間に日本にいて喜びを共有したかったのだけれど、中国にいるので公式HPとネット記事を読むことぐらいしかできないのがちょっと残念。
Twitterを見ることもできないので、みなさんの反応もわからないのですが、どんな感じなんですかね。

正直、「サブカル」バンドが大衆にどれだけ受け入れられるのかはわからないし、レーベルの売り出し方も想像つかないところがあるのだけれど、このバンドには普遍的な音楽の力があるので、ただそれを信じるのみ。
きっと想像した以上に騒がしい未来が待っているはずだから。



グッバイフジヤマ「チェリー」
2017年6月28日リリース
シングル

チェリー(期間生産限定盤) - グッバイフジヤマ
チェリー(期間生産限定盤) - グッバイフジヤマ
posted by なっくる at 19:18| Comment(0) | MUSIC LIFE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする