2017年12月23日

2017年 ベストアルバム

毎年恒例のベストアルバム10枚です。

2016年はこんな感じでした。
http://musinacl.seesaa.net/article/445381243.html

1. Rei「ORB」
2. スムージチークス「Vivid Soul」
3. グミ「フェイバリットバンド」
4. グッバイフジヤマ「この胸いっぱいの愛を」
5. THE BOSSS「おとうふ」
6. スピッツ「醒めない」
7. オワリカラ「ついに秘密はあばかれた」
8. UNISON SQUARE GARDEN「Dr. Izzy」
9. カンバス「こころでもっと」
10. ポートレイツ「背伸び」

今年は上海に引っ越したということもあって、新譜をあまり聴けなかったのですが、その中でも選んでみた今年の10枚はこんな感じです。

10. ベランダ「Any Luck to You」


9. おいしくるメロンパン「indoor」
indoor - おいしくるメロンパン
indoor - おいしくるメロンパン

8. Saucy Dog「カントリーロード」
カントリーロード - Saucy Dog
カントリーロード - Saucy Dog

7. Omoinotake「So far」
So far - Omoinotake
So far - Omoinotake

6. パノラマパナマタウン「Hello Chaos!!!!」
Hello Chaos!!!! - パノラマパナマタウン
Hello Chaos!!!! - パノラマパナマタウン

5. YAJICO GIRL「沈百景」
沈百景 - YAJICO GIRL
沈百景 - YAJICO GIRL

4. MONO NO AWARE「人生、山おり谷おり」
人生、山おり谷おり - MONO NO AWARE
人生、山おり谷おり - MONO NO AWARE

3. THE BAWDIES「NEW」
NEW (初回限定盤) - THE BAWDIES
NEW (初回限定盤) - THE BAWDIES

2. Wanna-Gonna「In the Right Place」
In the Right Place - Wanna-Gonna
In the Right Place - Wanna-Gonna

1. シャムキャッツ「Friends Again」
Friends Again - シャムキャッツ
Friends Again - シャムキャッツ

シャムキャッツは前から大好きなバンドでしたが、もしかしたら今年の「Friends Again」がいちばん好きかもしれません。抜群のポップソングのセンスが詰め込まれた今回の作品。心地良い歌の魅力に取りつかれて、今年何度もリピートして聴いていました。
THE BAWDIESも、今までのアルバムの中で「NEW」がいちばん好きかも。「NEW」というタイトルでありながらも、オールドスタイルのロックンロールを追求した楽曲を堪能できる1枚。時代の流行りに流されることないこのバンドのスタイルに魅了されました。
新たな若手バンドの魅力を発見できるアルバムもたくさんありました。
鍵盤好きとしては、Wanna-GonnaとかOmoinotakeのようなバンドが出てきたことが嬉しいです。どちらも、ブラックミュージックのエッセンスが感じられる軽快でグルーヴィーな楽曲が印象的な作品。Wanna-Gonna「In the Right Place」は、タワレコでCDを見かけて初めて知ったのですが、試聴機で冒頭数秒間を聴いた時点でもう自分の大好きなアルバムだと確信できました。
ちょっと変化球なのがMONO NO AWARE。どこか懐かしいような気もするサウンドと言葉遊びのようなリリックが頭に残ってクセになります。
YAJICO GIRLパノラマパナマタウンおいしくるメロンパンの楽曲は、昨年から聴いていましたが、今年のアルバムで魅力をさらに発見できたような気がします。「沈百景」は普遍的なロックミュージックの心地良さ、「Hello Chaos!!!!」はロックバンドとしてのエンターテイメント性に溢れたライブ感、「indoor」は浮遊感のあるボーカルとスリーピースバンドならではのサウンドの絶妙なバランス感が秀逸な作品だと感じました。
Saucy Dogは、YAJICO GIRLやパノラマパナマタウンと同じくMASH A&Rのオーディションを勝ち抜いたバンドですが、こんなに良い楽曲を作るバンドだとは思いませんでした。「カントリーロード」は、しっかりと作り上げられた「歌」が詰まったアルバム。
ベランダの作品にも、「歌」の魅力を感じることができました。普遍的なポップソングのセンスを持ったバンドとして、これからも応援していきたい存在です。
次点を選ぶとしたら、実は最近ヘビロテして聴いている西野カナ「LOVE it」でしょうか。かつての「女子が聴く恋愛ソング」のイメージが払拭されるほどの、多彩なジャンルの音楽を歌い上げるポップスターとしての魅力を感じることができる1枚です。

2017年ベストまとめ。

1. シャムキャッツ「Friends Again」
2. Wanna-Gonna「In the Right Place」
3. THE BAWDIES「NEW」
4. MONO NO AWARE「人生、山おり谷おり」
5. YAJICO GIRL「沈百景」
6. パノラマパナマタウン「Hello Chaos!!!!」
7. Omoinotake「So far」
8. Saucy Dog「カントリーロード」
9. おいしくるメロンパン「indoor」
10. ベランダ「Any Luck to You」
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2017年12月16日

LOVE PSYCHEDELICO/THE BAWDIES/GLIM SPANKY J ROCK STYLE In Shanghai 2017

今日行ってきたのは、日本を代表するロックバンド3組が集結したイベント。
上海でここまで豪華な対バンのライブを見ることができるのは、かなり嬉しいです。
この3組の対バンは日本でもなかなか見ることができないですよね。
今日のライブには、上海の人たちだけでなく、日本人のお客さんも多く集まっていました。
ただ、ラインアップの割には、そこまで集客は良くなかった雰囲気。
あまり宣伝していなかったようで、このライブが開催されることを知らなかった人も多かったみたいです。

チケットの値段設定は3種類。
VIPチケット780元(約13260円)と前方エリアチケット580元(約9860円)と後方エリアチケット180元(約3060円、安い!)。
指定席タイプなのかと思ったらオールスタンディングで、チケットによる区域分けもされていなかったので、この価格の差は単に入場順の違いだったようです。
おそらく大多数のお客さんは後方エリアチケットだったので、180元のチケットでも780元とか580元とか払った人と同じく前の方で見ることができてしまうという、いまいち釈然としないシステム。
行くのが遅かったら、もうまったく関係なくなってしまいますからね。
VIPチケットは入場順が最優先で、さらに全出演のサインが貰えるとのこと。
ただ、アーティスト本人から貰えるわけではないらしく、780元払うほとの魅力を感じない特典です。

ただ、運営はしっかりしていたと思います。
中国のライブでは、開演時刻を余裕で1時間過ぎてもライブか始まらないなんてこともしばしばあるのですが、さすがに大物アーティストの大型イベントだけあってそんなことなくて、時間ピッタリに始まって、転換もスムーズだったのは良かったです。

会場は、おなじみのバンダイナムコ上海文化センター。
大きなステージで、冬フェスの気分を味わいながら楽しむことができました。

GLIM SPANKY

トップバッターは、サポートメンバーとともにバンド編成で登場したグリムスパンキー。
短い中国語のMCも披露してくれましたが、40分ほどの時間でありながら約10曲もたっぷり曲を聴かせてくれました。
このバンドのルーツとも言えるロックとブルースで魅了してくれた「ダミーロックとブルース」や、勢いのあるロックナンバー「怒りをくれよ」、ハンドクラップで会場に一体感が生まれた「NEXT ONE」なども良かったですが、今日特に心に残ったのは、中盤で披露された「美しい棘」「大人になったら」といったバラードナンバー。
哀愁漂う美しいメロディーラインの中で、松尾レミのブルージーなボーカルが映えます。



THE BAWDIES

3月の名古屋ワンマン以来、もうしばらくこのバンドのライブを見ることはないのかと思いきや、年内にもう一度見ることができてしまいました。
白いジャケット姿でビシッと決めて登場した4人。
会場からはカッコイイ!という歓声が響きわたっていました。

[SET LIST](不完全)
IT'S TOO LATE
NO WAY
YOU GOTTA DANCE
HOT DOG
LEMONADE
THE EDGE
SING YOUR SONG
JUST BE COOL

初見のお客さんも多かったのか、若干アウェイな空気の中で始まったこのバンドのステージ。
でも、フロア全体を巻き込んで踊らせてくれる熱いパフォーマンスで、最高のロックンロールパーティーを作り上げてくれました。
魂まで振るわせてくれそうなほどのソウルフルなロックンロールの連発。
「HOT DOG」前のミニコント(?)はさすがに無くて、シンプルにROYの「Are You Hungry?」という掛け声から始まりました。
TAXMANが中国語で「チンゲイウォーピージオ(私にビールをください)」と言ったら、ステージ袖からビールが運ばれてきて、一気に飲む場面なんかも。
かっこいいパフォーマンスももちろんですが、何より4人が仲良さそうに楽しんでいるところが良いですよね。



LOVE PSYCHEDELICO

サポートメンバー含め、総勢6名のフルバンド編成でのステージ。
意外にも、上海でライブをするのは今日が初めてだったそうです。
個人的にLOVE PSYCHEDELICOのライブを見るのは3年前のZIP-FMのイベント以来で、ライブハウスでしっかり見るのは初めてでした。
爽快なロックナンバー「Free World」からスタート。
心地良いビートに乗って響いてくるKUMIのボーカルが魅力的。
やっぱり「Last Smile」など、昔よく聴いていたナンバーを生で聴けたのは嬉しかったです。
後半では、NAOKIのギターソロからの「Your Song」、ロックバンドとしての迫力を感じさせてくれた「Everybody needs somebody」、そして本編ラストで「LADY MADONNA〜憂鬱なるスパイダー〜」という最高の流れ。
アンコールでは、ライブの定番曲「Freedom」で、大盛況の中終了。
楽曲だけ聴いているとクールな印象が強いですが、間近で見ることができたKUMIさんは、年齢を感じさせないほど可愛らしかったのも印象的でした。

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2017年12月09日

mol-74/LILI LIMIT ROCKING BOAT vol.1

今日行ってきたライブは、mol-74とLILI LIMITの対バン。
北京と上海で開催された今回のミニ中国ツアー。
2組とも初の中国ライブだったそうです。
上海編は、おなじみのライブハウスMAO。
若い女性中心に、ざっと500人ほどのお客さんが集まっていて、この2バンドの注目度の高さを感じました。

LILI LIMIT

定刻を1時間ほど過ぎて始まったLILI LIMITのステージ。
大歓声に迎えられて、メンバー5人がステージ上に登場しました。
「A Short Film」からライブスタート。
「Observe」「N_tower」など、ほぼノンストップ状態で次々に楽曲をパフォーマンスしていき、フロアの熱を上げていました。
身体を揺らしてくれる打ち込みメインのサウンドと照明のステージ演出が作り上げる高揚感。
そんな電子的なサウンドに融合する牧野さんの人間的な温かみのある歌声はこのバンドならではの魅力だと思います。
上海でライブができたことへの感謝の思いを伝えた短いMCをはさんで、後半では、「at good mountain」「Kitchen」「Girls like Chagall」とキラーチューンを連発で。
いちばん盛り上がったのは、「上海に愛を込めて」と言ってからパフォーマンスした「Kitchen」だったと思います。
個人的に、このバンドのライブを見たのはメジャーデビュー以降初めてだったのですが、「お客さんを楽しませる」ライブとしての完成度が高くなってきたような印象を受けました。



mol-74

このバンドは、特に女性からの歓声の量が凄かったです。
4人がステージ上に登場したので、メンバー3人にサポート1人という編成なのかと思ったら、先月ベースの高橋さんが正式に加入して今は4人編成になっていたんですね。
「グレイッシュ」からライブスタート。
高音ファルセットボーカルと繊細なメロディーラインの美しい、このバンドの魅力をたっぷり伝えることのできるナンバーですよね。
このバンドは、音源で聴く限りでは、しっとりと聴き入るタイプの楽曲が多いイメージがありますが、ライブで見るとやっぱりロックバンドだなと思わせてくれます。
フロアの温度を上げてくれた「エイプリル」「light」などのロックチューン。
お客さんも大盛況で、「%」の高速ハンドクラップも完璧でした。
あまりの盛り上がりぶりに、「歓迎ムード過ぎて逆にやりづらい」と話すボーカル武市さん。
このバンドは日本でも何回かライブ見たことがありましたが、それを完全に上回っていたのが今回の上海のお客さんたちの盛り上がり。
本人も「日本でもこんなに、やで」などと言ってましたが、日本でのライブ以上に盛り上がっていて驚きました。
「赤い頬」のようなミディアムチューンはもちろんですが、「%」などのロックチューンでもメロディーラインの美しさが際立っているので、そのあたりが上海の音楽ファンたちに好まれるのかもしれませんね。
MCでは、上海に来て、タピオカのドリンクと小籠包を食べたと話す武市さん。
「1点点」「小楊生煎」といったチェーン店の名前が登場するたびに、フロアからは歓声が上がりました。
「今日食べた小籠包が今まで食べた小籠包の中でいちばんおいしくて感動したけれど、それ以上に今日の上海のお客さんに感動しています」
と話して、今日いちばんの拍手。
ちなみにこのMCすべて日本語でしたが、完全に伝わっていました。
お客さんからは、「関西弁、カワイイ!」なんていう声も。
アンコールで演奏された「フローイング」の盛り上がりも凄かったです。
「さよなら 君がいなくなるような気がしたんだ」というサビ部分では、自然発生的に大合唱が起こっていました。



今回は「ROCKING BOAT vol.1」というタイトルのイベントだったわけですが、「vol.2」の開催にも期待したいですね。
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2017年11月26日

Saucy Dog「いつか」

ポピュラーミュージックにおいて、「良い歌」であることの第一条件は、歌詞とメロディーの展開が合致していることだと思うのですが、これは当たり前のようで実はそういう曲ってなかなか無いんですよね。
でも、歌詞とメロディーが合ってさえいれば、深い感動を与えることができる。
そんなことを改めて気付かせてくれたのが、Saucy Dogの「いつか」という曲でした。

この曲は、男性目線から綴った恋人への想いがテーマになっています。
ありふれ過ぎているほどありふれたテーマですね。
「いつか」というタイトル自体もありふれているし、さらに言えばSaucy Dogの男女混成3人組というバンド編成も最近の数多くいる若手バンドの中の1組と言った印象で、正直最初はこの曲全然聴く気にもならなかったんです。
でも、それは完全な聴かず嫌いでした。
「いつか」は、MVが公開されたのは昨年の12月だったにも関わらず半年ほどYouTubeで再生することもしなかったことを後悔してしまうほどの名曲でした。

坂道を登った先の暗がり 星が綺麗に見えるってさ
地べたに寝転んじゃうあたり あぁ君らしいなって思ったり
時間を忘れて夢中になった 赤信号は点滅してる
肌寒くなり始めた季節に 僕らは初めて手をつないだ
二人の物語


恋人と付き合い始める頃の2人のやり取りを描いた描写からこの曲はスタート。
まず最初の描写から良いですよね。
星が綺麗に見える場所で地べたに寝転んでしまう、ちょっと活動的なタイプの女の子。
肌寒くなり始めた季節の、空気が澄んでいて、星がたくさん見える光景。
きっと自然も多く残っている場所のはず。
そんなシチュエーションで初めて手をつなぐ二人。
純粋で見守っていたくなるほど初々しい、そんな二人の物語がスタートする予感に溢れています。

ふたりでひとつの傘を差したり ブランコに乗り星を眺めたり
押しボタン式の信号機を いつも君が走って押すくだり


相合傘もブランコもラブストーリーにはベタすぎるほどのアイテムですが、王道ラブソングだからこそ、これらのキーワードがピッタリハマっているような気がします。
点滅していた赤信号も、ボタンを押して青に変えてくれる、そんな彼女の明るさ。
「〜たり 〜たり 〜くだり」という韻も気持ち良すぎるほど気持ち良いですね。

仰向けになって見た湖 宙に浮いてるみたいってさ
はしゃいでる君とその横でさ もっとはしゃぐ僕なら
本当に飛べるような気がしていた
ふわふわと夢心地 君の隣


「仰向けになって湖を見る」というのがどういうシチュエーションなのか、ここはいまいちよくわからないのですが、とにかく宙に浮いているような感覚になってはしゃぐ二人。
今までの描写では、彼女の方がかなり活発で明るくて、彼氏の方は若干それに引っ張られがちなのかなと思っていましたが、ここでは彼女よりもっとはしゃいでいるようでそういうわけでもなさそう。
本当に飛べるような気がしてしまうほど、ふわふわと二人を包んでいた幸福感。
二人の幸せ度合いがMAXになっていくのに伴い、曲展開も盛り上がっていって、ついにサビに突入。

君の見る景色を全部 僕のものにしてみたかったんだ

1音1音の印象が強いメロディーラインに載せて歌い上げられたのは、「君の見る景色を全部 僕のものにしてみたかった」というジャイアン的とも言えるほどの強い占有欲。
わりと控えめなタイプの彼氏なのかなと思いきや、意外とけっこうオラオラ系なのかもと思わせるフレーズ。
でも、この後の、曲が最高潮に盛り上がるところで吐き捨てるように放たれた言葉が衝撃的。

あぁ 君を忘れられんなぁ

つまり、ここまで綴られていた二人の様子はすべて過去の想い出で、二人はもう既に別れてしまったんだということがここで初めてカミングアウトされます。
直前の「君の見る景色を全部 僕のものにしてみたかったんだ」というセリフも、実際に彼女に話したわけではなく、あくまでも彼氏が心の中で秘めていた想いだったわけですね。
彼女のことが忘れられない想いの強さを感じさせます。

当たり前に通ってたあの道 信号機は無くなるみたいです
思い出して切なくなる気持ちも いつかは無くなるみたいです


回想シーンが綴られた1番の歌詞の後、2番に入ると現在の彼氏の思いが綴られています。
二人で過ごすことが当たり前だったあの頃と、その当たり前が崩れ去ってしまった現在の状況の対比。
それを象徴しているのが信号機です。
いつも彼女が走ってボタンを押していた押しボタン式の信号機も、もう無くなってしまう。
思い出して切なくなる気持ち自体も無くなってしまうのは、とてつもなく切ないですね。
「無くなるみたいです」という言葉遣いには、もう今さらどうしようもないという諦めを含んだ哀しみを感じさせて、切ない気持ちが増長されます。

そういえば寒い雪降る日の 田和山の無人公園でさ
震える体 暗い中 いつものように笑い合う 街灯の下で
僕の目に映りこんだ君が いつもよりちょっと寂しそうな気がした


このパートは、「〜でさ」と、元恋人に語りかけるように綴られる回想シーン。
「肌寒くなり始めた季節」を通り越して、雪が降るほど寒い季節になったのに伴い、彼女の気持ちも冷えてしまったみたい。
もしかしたら二人は数か月しか付き合っていなかったということなのかもしれないですが、想いの強さには時間の長さは関係ないですよね。
普遍的なストーリーの中にいきなり固有名詞が入ってくると、それがとても印象に残ります。
この曲を聴いた人なら「田和山の無人公園」というのがどこにあるのか気になるはず。
ボーカル石原さんの出身地は島根県だとのことですが、松江市に田和山遺跡というのがあるので、そのあたりに実際にあるのかもしれませんね。
Official髭男dismとかOmoinotakeとかもそうですが、最近の島根のバンドシーンが熱いです。
島根はまったく行ったことのない土地ですが、絶対星が綺麗に見えるはず。
田和山にある、星が綺麗に見えるブランコのある無人公園。
機会があれば探して行ってみたくなりますね。
あと、これは余談ですが、「暗い中」の部分のメロディーへの言葉の当てはめ方が小山田壮平的で、個人的にけっこう好きです。

今になってさ 思い出してさ 後悔じゃ何も解決しないさ
忘れられないのは 受け入れられないのは
君を思い出にできる程僕は 強くはないから


急に曲の雰囲気が変わり、大サビに突入。
やっぱり彼女のことが忘れられないという強い想いが込められた、シリアスでドラマチックな展開のメロディーライン。
高音の美しいボーカルで歌い上げられる「強くはないから」という男の本音をさらけ出したフレーズが、グッと切ない気持ちにさせてくれます。

僕の見た景色を全部 君にも見せてやりたかったんだ

曲が最高潮まで盛り上がった大サビを経て、切々と歌い上げる最後のサビの冒頭部分。
「君の見る景色を全部 僕のものにしてみたかったんだ」という強い男性像から一転して、最大限のやさしさを感じさせるこのフレーズにはドキッとしてしまいます。

あったかいココアを一口

ここで、「あったかいココアを一口」ですよ。
なんかわからないですが、このフレーズ、とても印象に残るんですよね。
この曲の影響で、最近ココアを飲みたくなることが増えています。
ココアでいったん心を落ち着かせた後、最後に伝えたかった想いをすべて歌い上げます。

いつかまた逢う日までと 笑う顔に嘘は見当たらない
じゃあね またどっか遠くで
いつか


ここで初めて曲のタイトル「いつか」の意味がわかります。
別れ際「いつかまた逢う日まで」と笑いながら言っていた彼女に向けて、最後に伝えたかった言葉。
それが「いつか」だったわけですね。

この曲を知ってからは、ほぼ毎日のように聴いています。
歌詞とメロディーの構成が完璧と言っていいほどの「良い歌」。
もう完全に覚えてしまったほど聴き込んでいるのですが、それでも聴く度に感動して涙腺が緩んでしまいます。
シンプルなようでいて、実は緻密にしっかりと構成されているからこそ、何度も聴きたくなるほどの魅力を持っているんですよね。
楽曲を紹介する文章を書くときに「名曲」という言葉は極力使わないようにしているのですが、この「いつか」は今のインディーズシーンを代表する名曲と言っても過言ではないと思います。
Saucy Dogはライブハウスシーンでは人気が急上昇しているバンドで、この「いつか」もYouTubeで160万回再生を突破するほどの人気曲ですが、一般的な知名度としてはまだまだの存在。
こういう名曲が埋もれたままではいけない。
そんな思いで、今日はこのブログを書きました。



Saucy Dog「いつか」
2017年5月24日リリース
アルバム「カントリーロード」収録曲

カントリーロード - Saucy Dog
カントリーロード - Saucy Dog
posted by なっくる at 19:55| Comment(0) | MUSIC LIFE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月17日

Tempalay/MONO NO AWARE/ドミコ 新世代日系独立新星联袂中国大巡演

今日は、独自の世界観を繰り広げる音楽センスで注目を集めている若手バンド3組が中国各地を回るというツアーの上海編。
ライブは見たことなかったものの気になっていたバンドばかり3組も上海まで来てくれるということで、行かないわけにはいきません。
会場は、バンダイナムコ上海文化センターにある未来劇場というちょっと小さめのライブハウスでした。
金曜日の19:15スタートでしたが、お客さん150〜200人ぐらい入っていたと思います。
中国には日本のインディーロックが好きな層と言うのが確実に存在しているので、上海でこの手のライブが開催されるとだいたい毎回これぐらいの集客はあるみたいですね。
オープニングアクトとして中国の鬼否というバンド(?)が登場していたらしいですが、途中から行ったので、見たのは2組目の途中から。

MONO NO AWARE

東京を中心に活動する4人組バンド。
今年リリースされたアルバム「人生、山おり谷おり」ではオリジナリティー溢れるセンスで魅了してくれましたが、今日のこのライブでもこのバンドのそんな世界観を堪能することができました。
独特でありながらもどこか懐かしさを感じさせる、インパクトの強いメロディーライン。
歌詞のフレーズの使い方もユニークで、どこか文学青年的な佇まいを感じさせてくれます。
今日のライブのハイライトは「イワンコッチャナイ」。
「君に嫌われたらどうしよう」という歌い出しで始まる歌詞の内容と、とびっきりポップでどこかコミカルなサウンドのギャップ。
言葉遊びのような語感が心地良いリリックと、一緒に歌いたくなるメロディラインも魅力的なナンバーです。
ライブでは、「言わんこっちゃない」のフレーズ連発が醸し出すソウルフルなディスコ感と、スキャットマンのフレーズをミックスしたアドリブで楽しませてくれます。
「言わんこっちゃない」というフレーズをここまでかっこよく歌えるバンドっていないですよね。
今回の中国ツアーに合わせて再販したという「イワンコッチャナイ」のシングルも無事入手することができました。



ドミコ

このバンド、今日ライブを見るまでどんなメンバー構成なのか全く知らなかったのですが、2ピースバンドなんですね。
ギターボーカルとドラムのみという男性2人組。
この構成でここまでかっこいいバンドサウンドを作り上げてしまうということに驚いてしまいました。
ループマシンを効果的に使用して作り出した音の広がり。
ドラムの迫力が増して聴こえたのも、2ピースバンドだからこそかもしれません。
どこかひねくれているようでいて、ロックンロールへの愛が感じられるドミコの楽曲。
自分たちの音楽を信じてスタイルを確立しているようなところがかっこいいなと感じました。
MCもほぼ全て日本語。
日本でライブする時と変わらないような雰囲気で、あくまでいつも通りの自分たちのライブを届けようというこだわりが感じられました。



Tempalay

メンバー3人にサポートを加えた4人編成でのライブ。
力を抜いて身を任せたくなるサウンドは、ライブで聴くと最高に心地良かったです。
「新世代」は、新しさの中にもどこかレトロなムードを感じさせる、まさに「新世代」のセンスが作り出すサウンド。
1曲の中でも次々に曲調が変化する「新鮮な」「新しい音」に魅了されました。
「かいじゅうたちの島」のように美しいメロディーで聴かせてくれる楽曲があるのもこのバンドの魅力。
でも特に盛り上がったのは、ゲストボーカル(鬼否?)も登場した「革命前夜」。
ベースの心地良いグルーヴに身体を揺らしつつ、美しい旋律に聴き入ってしまいました。
あまり今まで意識して聴いていなかったのですが、このバンド、ボーカルがかなり上手いと思います。

posted by なっくる at 00:00| Comment(0) | ライブレポ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする