2017年06月25日

グッバイフジヤマ「この胸いっぱいの愛を」

先日、玉岡かおる著「ひこばえに咲く」を読みました。
津軽で生きる画家ケンと、彼を取り巻く女性たちの生き方を描いた作品。
誰に売るでも見せるでもなく、ただひたすら描きたいからという理由で絵を描き続け、晩年まで作品を自身のアトリエに眠らせ続けていたケン。
ある画廊主が彼の作品を見つけたことをきっかけに、一気に存在が世間に知れ渡ることになります。
これ、フィクションだと思って読んでいたのですが、実は、実在した画家、常田健がモデルになっていたんですね。
実際の常田健も、89歳の時に東京のギャラリーで個展が開催されたことをきっかけに話題を集めましたが、翌年90歳で逝去。
彼自身が望んでいたかどうかはわかりませんが、最後の1年で今までの自分が世間に評価されるようになるとは、かなりドラマチックな人生ですよね。

ひこばえに咲く (PHP文芸文庫) -
ひこばえに咲く (PHP文芸文庫) -

常田健のケースは極端だとしても、何かを創る人間にとっては、それを受け取る人間の存在が重要。
音楽だってそうだと思います。
良い楽曲をたくさん作っていても、世間に知られることなく活動を終えていくミュージシャンたちの姿を見ていると、本当にもったいないなと思います。

これを読んで思い浮かんだのは、グッバイフジヤマ「この胸いっぱいの愛を」の
「君が僕をみつけてくれたから なんでもない僕じゃなくなったよ」というフレーズ。
「この胸いっぱいの愛を」というタイトルですが、男女間の愛というよりも、グッバイフジヤマからリスナーに向けての思いが込められているみたいです。
もともとは無名の状態で始めたバンド活動。
でも、CDだったりYouTubeだったりライブ会場だったり、いろいろなところで「みつけてくれた」人がいたからこそ、今の姿でバンドを続けることができている。
楽曲を通して感謝の思いをファンに向けてストレートに伝えている、そんな人間らしいところがこのバンドの魅力だと思います。

そんなグッバイフジヤマも、6月28日についにメジャーデビュー。
前バンド名時代、前メンバー時代から、このバンドの才能を信じて応援し続けてきたファンとしては、やはりとても嬉しいです。
多くの人たちがこのバンドを「みつけて」きたことがついに実ったところだと思いますが、メジャーデビューはさらに多くの人たちに楽曲が届くチャンス。
想像した以上に騒がしい未来を見せてくれると信じています。

グッバイフジヤマ「この胸いっぱいの愛を」
2016年11月2日リリース
アルバム「この胸いっぱいの愛を」収録曲
この胸いっぱいの愛を - グッバイフジヤマ
この胸いっぱいの愛を - グッバイフジヤマ
posted by なっくる at 19:49| Comment(0) | MUSIC LIFE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月17日

→Pia-no-jaC← Cinema Popcorn Tour 2017 上海

今日は、→Pia-no-jaC←の上海公演を見に行ってきました。
会場は、前回、空気公団とHARCOを見に行った時と同じMAO Livehouse Shanghai。
今回は、椅子無しのオールスタンディングスタイルでした。
集まったお客さんは200〜300人ぐらい。
日本人もいたかもしれませんが、ほとんどが現地の中国人でした。
欧米系の方も少なくなくて、やはり言語の壁を越えた人気があるようです。

大歓声が起きる中、メンバー二人が登場。
個人的に→Pia-no-jaC←のライブを見るのは約10年前のインストアライブ以来2回目だったので日本でのライブの様子があまりわからないのですが、日本と同じかそれ以上とも思えるほどの盛り上がりを見せていました。
ピアノとカホン(パーカッション)のみで、バックバンドもバックトラックも何も加えていないのに、ロックバンドと変わらない迫力のある音楽。
拳を上げたり、手を振ったり、シンガロングしたり、盛り上がり方は日本と変わらないです。
「Don't Look Back in Anger」の大合唱が起こった様子には、世界に通用する音楽のパワーを感じました。
「第9」だったり「ミッションインポッシブル」だったり、有名なクラシック音楽や映画音楽などをアレンジした楽曲も多い彼らですが、おなじみのフレーズが聴こえてくるとテンション上がりますよね。
そんな中、いちばん盛り上がったとも言える楽曲は、「台風」。
イントロが聴こえた瞬間に大歓声が沸き起こっていて、単にパフォーマンスだけでなくオリジナル楽曲の認知度も高いというのは凄いなと思いました。

→Pia-no-jaC←は中国でも何度もライブを行ったことがあるようで、メンバー二人とも中国語のMCも慣れた様子。
アンコール最後のMCでは、「サマーソニック チャイナ」に出演するという告知も。
「サマーソニック チャイナ」とは?
と思って調べたら、今年の夏、上海でもサマソニが開催されるんですね。
これは是非とも行きたいところ。
まだ詳細は明らかにされていませんが、行ったらまたここでも報告したいと思います。

アンコールラストに演奏されたのは、「PEACE」。
この曲を最後に演奏するのは定番なんですね。
フロア全体で指でピースを作って高く掲げながらライブを楽しむ光景は、まさにピースそのもの。
アンコール含めて約1時間半の短めのワンマンライブでしたが、胸に熱い余韻が残る良いライブでした。

posted by なっくる at 00:00| Comment(0) | ライブレポ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月11日

岡崎体育「感情のピクセル」

歌詞の中身に真実味が感じられない。

いわゆるジャパニーズポップス&ロックを大量に聴き続けていると、中には歌詞がおざなりになっているように感じられてしまう楽曲も少なからず存在します。
メロディやテンポやノリ重視で、歌詞は適当な言葉をつなぎ合わせただけのもの。
もちろん、楽曲を作成した本人は歌詞にしっかりメッセージを込めているのかもしれないし、そもそも歌詞の中身が無くても完成している楽曲というのはたくさん存在していると思います。

最近、邦ロックに歌詞は必要なのか、ということを考えてしまうことが多いです。
サウンド面を重視しているのならそれはそれでアリだし、ライブでの盛り上がりを目的にするのも重要なこと。
邦ロックにおいて、必ずしも歌詞は重要な要素ではないケースが多いと思います。

ただ、どこかで聞いたことあるようなフレーズばかりを乱用して、見た目だけは何となくかっこよく仕上げているような楽曲というのは、どうも好きになれないです。
「もう何もかも信じたくはない」とか、
「風の色はもう見えないけど」みたいな、
またその手のフレーズを入れてきたか、と正直うんざりしてしまうこともしばしば。
自分の言葉を使っていないな、と感じてしまうんですよね。
そんな借り物のフレーズで間に合わせるぐらいなら、いっそのこと
「どうぶつさんたち だいしゅうごうだ わいわい」
ぐらい振り切った歌詞にしてくれた方がよっぽどマシなのに。

「歌詞にメッセージ性が無い」というメッセージ。
単なるパロディやコミックソングの域に留まらず、ライブ偏重主義の今の邦ロックシーンに対して、痛烈な皮肉と批判をこの楽曲に込めているのだとしたら、岡崎体育のセンスは想像以上に相当天才的なのかもしれません。



岡崎体育「感情のピクセル」
2017年6月14日リリース
アルバム「XXL」収録曲

XXL(初回生産限定盤)(DVD付) - 岡崎体育
XXL(初回生産限定盤)(DVD付) - 岡崎体育
posted by なっくる at 21:30| Comment(0) | MUSIC LIFE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月04日

ロマンチップス「Hello the music」

世の中には、無名のミュージシャンが作る楽曲の中にも、こんなにクオリティの高いポップソングが存在したのか、という衝撃。

私が6年前にロマンチップス「Hello the music」を初めて聴いたときの第一印象です。

もともとこの曲を知ったきっかけは、2011年の見放題。
と言っても、そのときはライブを見たわけではなくて、来場者に配布されたコンピCD「ここにある音楽3」にこの曲が収録されていたんですね。
見放題の時に貰えるCD「ここにある音楽」は、見放題の楽しみの一つ。
現在はストリーミング方式になってますが、かつては無名時代のKANA-BOONやブルエン、オーラル、夜ダンなどのインディーズ音源が収録されていたりもしました。
見放題来場者限定の特典のため過去のCDは入手困難ですが、「ここにある音楽3」だけは現在でもamazonなどで購入可能です。
井乃頭蓄音団「帰れなくなるじゃないか」、カルマセーキ「バラード」、MILKBAR「shelly」、東京カランコロン「マリメッコとにらめっこ」などなど、名曲迷曲が全30曲収録された2枚組CD。
全国流通前のココロオークション「蝉時雨」が収録されているのも注目ポイントです。
見放題来場者には無料で配布されましたが、これが1050円で買えるのは安い!

ここにある音楽3 - ARRAY(0x1237b0a8)
ここにある音楽3 - ARRAY(0x1237b0a8)

「ここにある音楽」を聴かなければ出会うことがなかったであろう音楽がたくさんあって、私のインディーズミュージシャン好きのルーツはここにあると言っても過言ではありません。
そんな「ここにある音楽3」の中でも、一際輝いていた楽曲がロマンチップス「Hello the music」。
イントロの時点から引き込まれる爽快なサウンド。
親しみやすい歌声とフレーズ。
そして何と言っても、一緒に歌いたくなる魅力に溢れたメロディライン。
「ここにある音楽3」を聴くまでは、ロマンチップスというバンドが存在することすら知りませんでしたが、「Hello the music」1曲を聴いただけでもうすっかりこのバンドにハマってしまいました。
まさに、楽曲のタイトル通り、新しい音楽との出会い。
この曲に限らず、万人受けするポップでキャッチーな楽曲を作るセンスを持っているのが、このバンドの魅力でした。
ストレートにJ-POP的な歌モノの楽曲を作りあげるスタイル。
何かきっかけがあれば、もっと世間に知られる存在になるはずなのに、とずっと思っていました。

ですが、残念ながら、世間的に存在が広まるまでには至らず、2年前にひっそりと解散。
メンバーも、現在音楽活動を続けている様子は見られません。
もったいない気もしますが、本人たちの事情もあることなので、こればかりはしょうがないですよね。
ただ、本日、一夜限りの復活ライブを開催したとのこと。
これをきっかけに、数年に一度のペースとかでもいいので、何らかの形で音楽活動を続けてくれれば、ファンとしては嬉しいところです。

「Hello the music」が収録されたアルバム「ボクナリズム」は現在入手困難なので、聴きたい方は「ここにある音楽3」の購入をおすすめします。
今まで知らなかった新しい音楽を知るきっかけになったこの曲に感謝を込めて、またこの記事をきっかけに新たにロマンチップスを知る人が一人でもいてくれればいいなという願いを込めつつ、今日のブログを書いてみました。


(「Hello the music」は17:25ごろから)

ロマンチップス「Hello the music」
2011年2月25日リリース
アルバム「ボクナリズム」収録曲
posted by なっくる at 21:41| Comment(0) | MUSIC LIFE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする