2021年02月11日

sumika Free Online Live at さいたまスーパーアリーナ

ほんの1年前までは、ライブハウスに行ってお客さんパンパンのフロアでライブを見る、ということが全く特別なことではなかったのですが、この1年で本当に状況は大きく様変わりしてしまったな、と改めて感じます。
私自身も、1年前の春節の休みは日本に帰っていたのですが、もうそれ以来、日本に帰れなくなって1年以上が経ってしまいました。
今やすっかりオンラインライブと言うものが珍しくなくなってきていて、海外からでも自由にライブを見ることができるかと思いきや、中国のネット通信状況が悪かったり、チケット購入が日本国外からだと難しかったりして、実は中国から日本のオンラインライブを見るのはちょっと面倒だったりするのです。
そんな状況なので、YouTubeでフリーでオンラインライブを実施してくれるというのは、敷居が低くてかなり助かります。

3日連続でさいたまスーパーアリーナからオンラインライブを行ったsumika。
もともとオンラインライブは2日間だけの実施の予定だったらしいですが、3日目にもオンラインライブを無料配信するというのは急遽決定したことだったそうです。
映画音楽のようなオープニングSEでワクワク感が高まってきた中でステージに登場したメンバー。
いつ見てもメンバーみんながステージ上で笑顔でいてくれるのが、見ている側としても嬉しくなります。

[SET LIST]
フィクション
ソーダ
祝祭
Summer Vacation
願い
ファンファーレ
雨天決行

sumikaがオンラインライブを無料配信するのは今日が初めてだったそうです。
今回、フリーでのオンラインライブを企画したのは、学校の友達にCDを貸すような気持ちで、sumikaを知らない人でも気軽に見てほしい、と語るボーカル片岡さん。
そんな嬉しい気遣いをしてくれるメンバーの人柄の良さが、画面越しでも伝わってくるようでした。
sumikaのライブを何度も見ている人でも、sumikaのライブを初めて見る人でも、同等の熱量で歓迎してくれて、誰でも受け入れてくれるようなこのムード。
まさに、誰にとっても「sumika(住処)」になるような存在でいてくれるようバンドなんだなと改めて感じました。
そんな彼らの思いを象徴しているようだったのは、新曲「祝祭」の初披露。
「どこでもやっていない新曲もやります!」と言って、新曲を初披露する場として、誰でも見られる無料配信を選んでくれた彼らの思いに胸が熱くなりました。
オンラインライブは、もちろん生でライブハウスで見るライブと同じようには楽しめない部分はどうしてもあるのですが、それでも映像ならではの良さも感じられる場面もあったり。
特に、メンバーどうしで合図を取り合っている様子とか(特に「Summer Vacation」の冒頭部分)、メンバーの表情までもはっきりと見ることができるのはオンラインライブならでは、というところかもしれません。
今届けたい曲として歌ってくれたのが、「迎えにゆこう」という歌詞が印象的な「ファンファーレ」。
この曲でラストの予定だったらしいですが、歌っている途中で痰が絡んでしまってうまく歌えなかったと話す片岡さん。
「やっぱ終わりたくないわ」「もう1曲歌いたいんで歌わせてください」と言って、急遽ラストに「雨天決行」とパフォーマンスしてくれました。
アドリブでの演奏曲追加にも臨機応変に対応していたのは、sumikaのバンドとしてのお互いの信頼感や絆のようなものを感じました。
曲の途中で片岡さんが「この曲sumikaで初めて作った曲なんです!」と誇らしげに話していましたが、個人的にもやっぱりsumikaと言えばこの曲、というような思い入れが強い曲だったので、最後にこの曲を選んで演奏してくれたことが嬉しくて思わず涙腺緩んでしまいました。
「やめない やめないんだよまだ 足が進みたがってる」とか、まさにこのバンドそのものを表現しているような曲だなと思います。
歌い終わって、もう伝え残したことは無いと語る片岡さん。
「伝え残したことがあったとしたら、音楽にしてまた届けます!」という最後の言葉がカッコ良すぎました。



【関連リンク】
2014年03月29日 ラックライフ presents GOOD LUCK vol.25
2015年01月25日 BURNOUT SYNDROMES/ポタリ/sumika メリーロックの恩返し-repay for MERRY ROCK PARADE-
2015年05月23日 GOODWARP/sumika/BRADIO YOASOBI vol.5
2015年12月20日 MERRY ROCK PARADE 2015
2016年01月10日 ミソフェス 2016
2016年12月25日 MERRY ROCK PARADE 2016 2日目
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2021年01月11日

UNISON SQUARE GARDEN「シュガーソングとビターステップ」

年末年始に放送される特番の中でも、私が毎年特に楽しみにしているのが、「ドキュメント72時間」の年末スペシャル。今回も、2020年に放送された中で視聴者からのリクエストが多かった年間ベスト10が一挙に放送されていました。毎週楽しみに見ている番組なので、もちろん以前も見ているはずのVTRばかりなのですが、それでもけっこう忘れていた場面とかもいっぱいあって、毎回新鮮な気持ちで感動しながらあっという間に見終わってしまいました。普段ならふと見逃してしまいがちな何気ないような日常のワンシーンから、市井の人々の知られざる人生のドラマを映し出しているところが、この番組の魅力。人にはそれぞれいろいろな人生があるんだなという、当たり前だけれど忘れがちなことを改めて感じさせてくれて、そしてそれが自分の人生を見つめ直すきっかけにもなったりします。だからこそ、同じ放送でも、見ている時の自分の状況や考えていること、悩んでいることなどで、見直す度に心に引っかかってくる場面が違ってくるような、そんな気がします。今回の年末スペシャルでも、登場していた多くの人たちの姿が心に残りました。

横丁の小さな居酒屋に集まっていた、還暦を過ぎてから趣味を通じて知り合ったという野球チームの男性たち。
籍は入れずに毎週末に会うという関係を30年続けており、今日もサンドイッチ店に立ち寄ってから出かけるという50代のカップル。
自身の製品のメンテナンスのために秋葉原の電子部品店に訪れていた、定年を過ぎてから工房を立ち上げたという60代の男性。
年末年始に遊びに来る孫たちのために、地元のスーパーに買い物に来ていた60代の夫婦。
一人で海に向かって巨大魚釣りに挑戦している中で、いつしか周りの見知らぬどうしの釣り人たちが仲間になっていた若者。(2020年放送屈指の名シーン!)
毎週屋台カフェにコーヒーを飲みに行ったり音楽ライブに出かけたりしている、今の人生が楽しいと満面の笑みで語る一人暮らしの60代の男性。
昭和の香りが色濃く残る歌舞伎町のキャバレーの会長で、ボックス席の破れさえも愛おしく眺めるほどキャバレーをこよなく愛し、従業員みんなに慕われている80代の男性。
ストリートピアノで演奏していたのをきっかけに20年ぶりに偶然再会することができた大学時代の友達どうし。
障害を持ちながらも、としまえん閉園のニュースを聞き、今まで憧れていた回転木馬に人生で初めて乗りに行ったという70代の男性。
自閉症の生徒に教えるためにクラリネットを楽器店に修理に来たという全盲の音楽講師の男性。

仕事だったり趣味だったり、あるいは家族だったり恋人だったり友達だったり。人それぞれには生きていく上で大切な何かが必ずあって、それに向き合っている時こそがその人が最も輝けるときなんだなと感じました。それは、「生きている意味」と言ったら大げさかもしれないけれど、きっと「生きがい」であって、その人にとっての「死ねない理由」とも言えるかもしれません。

最高だってシュガーソング
幸せってビターステップ
死ねない理由をそこに映し出せ
惜しがったって等速で明日は来ちゃうけど
脳内天気予報のアップデートを果たしたなら


2020年は、まさに超天変地異みたいな狂騒に世界中が包まれてしまった年でした。甘い「シュガーソング」というよりは、ママレードのような「ビターステップ」の成分多めの日常になってしまった人が多いはず。そんな世界の中では、その人にとって生きる支えになるような「死ねない理由」を一つでも見つけ出すことが、本当に大切なんだと改めて感じることができました。2021年は、世界中が良い年になることを願って。一難去ってまた一興!



UNISON SQUARE GARDEN「シュガーソングとビターステップ」
2015年5月20日リリース
シングル
シュガーソングとビターステップ(通常盤) - UNISON SQUARE GARDEN
シュガーソングとビターステップ(通常盤) - UNISON SQUARE GARDEN
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2020年12月28日

2020年下半期 マイベストソング30

今年最後の更新は、毎年恒例のマイベストソング下半期編。
今年はライブなど思うように活動できなかったアーティストも多かったと思いますが、それでもたくさんの良い曲を届けてくれたことに感謝です。

2020年上半期 マイベストソング30


30.恋がはじまる/GOOD BYE APRIL

J-POPの良質なエッセンスばかりを抽出したようなポップソング。
どこか漂う懐かしさと安心感がただ心地良いです。

https://www.youtube.com/watch?v=LOoGZ65vbYQ

29.ABCがワカラナイ/Hi Cheers!

「バックで大人が動いている」感が若干気になりつつも、それを払拭してしまうほどゴキゲンなポップチューン。
ラテンテイストが入ったディスコサウンドのサマーソングって王道過ぎるほど王道なJ-POP。

https://www.youtube.com/watch?v=gpSfuHh3Wmk

28.Times/SASUKE

メロウなトラックの心地良さ。
音源だけで聴いたら気付かないかもしれませんが、実は数学記号がたくさん隠されている歌詞のアイディアが斬新。

https://www.youtube.com/watch?v=cLPwsGEH1E8

27.サンキュー神様/菅田将暉×中村倫也

菅田将暉の力強くもどこか不器用さのあるボーカルと、中村倫也の甘くも芯の強さが感じられるボーカル。
シンプルな楽曲の中で、この2人の人間としての魅力が存分に伝わってくるような気がします。

https://www.youtube.com/watch?v=WMzlv_g6FSY

26.my^2/Half time Old

ロックバンドとして音楽を奏で続けることへの決意、というよりも彼ら自身が誰よりもただただ楽しんで音楽をやっているということが伝わってきて嬉しくなります。
キャッチーなメロディとアップテンポのサウンドの高揚感。

https://www.youtube.com/watch?v=oolSXrRvVSU

25.ねぇミスター/KALMA

青春の初期衝動を全部一気に閉じ込めてパッケージしたような楽曲。
まだ20歳とは思えないほどのクオリティですが、20歳だからこそ歌える歌でもあるような気がします。

https://www.youtube.com/watch?v=rKJeUw1EJdI

24.あたらしい朝/リュックと添い寝ごはん

どこにでもいそうな若者のいつもの風景をそのまま切り取ったような日常感。
メジャーデビューで新しいスタートを切ったこのバンドの今後の活躍を期待させてくれます。

https://www.youtube.com/watch?v=LSpqATwbF_8

23.さみしいよるのうた/Mr.ふぉるて

目まぐるしく移り変わる感情をそのままメロディで表現するかのようなソングライティングセンス。
わずか2分ちょっとの楽曲とは思えないほどの充実感。

https://www.youtube.com/watch?v=bWJPDkQc8l8

22.我愛你/Cody・Lee(李)

キレのあるサウンドとどこかオリエンタルなテイストがクセになります。
「もうトレンドは関係ない」と言い切ってしまう潔さ。

https://www.youtube.com/watch?v=uwS__WiOYTI

21.Sunny drop/Novelbright

正直あまり好きになれなかったバンドだったのですが、歌い出しでいきなり高音に移行するメロディラインに驚いてハマってしまいました。
突き抜けるほど圧倒的なボーカルと爽快なサウンドは、まさにこのバンドの実力そのもの。

https://www.youtube.com/watch?v=KFtN6OmVkRg

20.夏の重力/The Songbards

誰しもが心の中に持っている夏の情景を呼び起こしてくれるような普遍的なポップソング。
カセットテープで聴きたい質感のエヴァーグリーンな心地良さ。

https://www.youtube.com/watch?v=uPFIygs7WzE

19.異邦人/宮本浩次

この曲に限ったことではないのですが、ここ最近のカバーソングの中でも宮本浩次が手掛けたカバーソングの素晴らしさは突出していると思います。
歌い出しと同時に一気に彼の世界に引きずり込んでしまうほどの魅力を持った唯一無二の歌声。

https://www.youtube.com/watch?v=shMW6xhNtis

18.シェイクスピアに学ぶ恋愛定理/原因は自分にある。

鮮やかな鍵盤の音色がとびっきりオシャレ。
キレのあるメロディが心地良くて思わずハマってしまいました。

https://www.youtube.com/watch?v=HK8CCSngJHE

17.ドント・ストップ・ザ・ダンス/フィロソフィーのダンス

ブラックミュージックのテイストが入ったどこか懐かしいディスコトラック。
心を震わせるソウルフルなボーカルは、アイドルの域を超えています。

https://www.youtube.com/watch?v=6mRH390l-jk

16.Party Starters/嵐

低音ビートが響くトラックとサビの「oh-oh-oh-oh」というフレーズがクセになります。
活動休止前ラストのシングルのタイトルが「Party Starters」という心憎さ。

https://www.youtube.com/watch?v=f21KrWqxJqM

15.されどBGM/フレデリック

ライブ会場で爆音で聴きたい、最高にクールなダンストラック。
ちょっとレトロなテイストを盛り込んでくれるのが、フレデリックならではの良さ。

https://www.youtube.com/watch?v=DIBA2x1oj4g

14.素敵な朝/Crispy Camera Club

普段の生活の中でも口ずさみたくなるような自然体のメロディが魅力的。
退屈な日常でも、まさに「素敵な朝」を演出してくれそうなポップソング。

https://www.youtube.com/watch?v=XFtSaRqPJoM

13.SOS/セットラウンドリー

美しく切ないメロディが心地良いバラードナンバー。
「大好きなもの 大好きだと言えない」ような不器用な人間の心情を描いた歌詞が心に響きました。

https://www.youtube.com/watch?v=bI8DaVK98l4

12.わたしを夢からつれだして/愛しておくれ

パンクテイストの強いこのバンドには珍しく、メロディアスでポップなナンバー。
グッバイフジヤマの頃から変わることのないメロディセンスの良さ。

https://www.youtube.com/watch?v=gGdLr-caPHM

11.メモリーズ/ベランパレード

器用に生きることができない繊細な人間をそっと応援してくれるような歌詞が心を打ちました。
「ズル休んでも生き延びてよ」というフレーズの優しさ。

https://www.youtube.com/watch?v=EiZRTMA-oZc

10.KISSIN'MY LIPS/Snow Man

全英語詞のクールなダンストラックは、ジャニーズソングの域を超えていて、世界水準と言っても遜色無いほど。
ちょっと大人の色気を感じさせる息の合ったダンスパフォーマンスも最高にカッコ良いです。
あまりのレベルの高さに、ちょっと驚いてしまいました。



9.ドレスを着て/climbgrow

この曲の冒頭のギターリフは、2020年ベストイントロに選びたいほどのカッコ良さ!
シビれるほどのエモーショナルなボーカルはロックンロールへの愛とリスペクトを感じさせます。
メロディライン自体もとにかく心地良くて、まさにこういうロックンロールバンドを待っていました。



8.おかしなふたり feat.Haruko Madachi/リ・ファンデ

The Wisely Brothersの真舘晴子をフィーチャリングしたナンバー。
ブラックミュージックテイストのメロウなサウンドとちょっとアダルトな大人の恋愛を描いた歌詞。
全体的に大好きな楽曲なのですが、特に歌い出しからAメロのメロディラインが好きすぎて、思わずその部分ばかりリピートしてしまいました。



7.silent/SEKAI NO OWARI

セカオワ×クリスマスという組み合わせは、どう考えても良いに決まっているのですが、その期待に応えて、と言うより期待以上の楽曲を届けてくれました。
これからのクリスマスのスタンダードナンバーになってもおかしくないほどの美しいメロディのポップソング。
でも、ただ美しいだけの風景を描いているわけではなく、「降るなら積もってね、汚くなるだけだから」とかちょっと毒の成分を入れているのがセカオワならではの良さ。



6.YOLO/め組

どちらかと言うと独特なサウンドや突拍子もないようなメロディラインが印象に残りがちなこのバンドですが、実は歌詞がとても良いということを改めて感じさせられた楽曲。
全ての頑張っている人たちを応援してくれるような楽曲ですが、そこで安易に「頑張れ」と叫ぶわけではなく、「無理しないようにしようぜ」というフレーズを使うところに、菅原達也の人柄の良さが反映されているような気がします。
「誰も教えてくれないから楽じゃないけど」というあまりにもやさしい言葉の連続に、涙腺が緩んでしまいました。



5.夏影テールライト/UNISON SQUARE GARDEN

ユニゾンの真骨頂とも言える、美しく切ないメロディが魅力的な楽曲。
メロウでゆったりと揺れ動くようなメロディラインがとにかく心地良くて、何度もリピートして聴いていました。
夏の儚い恋を描いた歌詞の内容も切なくて心に響きます。
ラストの「幻に消えたなら ジョークってことにしといて。」というフレーズで余韻を残さずいきなり終わるところも、まさにこの夏のシーンが「幻」に消えたように思えて、それもまたかなり好き。



4.産声/Omoinotake

今年下半期に最もハマったドラマは、「チェリまほ」こと「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」でした。
そのタイトルから全く想像できなかったストーリーの展開に驚きつつも、登場人物たちが純粋に人を愛する想いに心を動かされ続けました。
このドラマで毎週オープニングを彩っていたのがこの楽曲。
自分の本当の気持ちを押し殺してしまい、自分が思うように生きることができない不器用な人間の背中をそっと押してくれるようなこの楽曲は、まさにドラマの内容にピッタリでした。



3.HIGH WAY/小山田壮平

心地良いビートに肩の力を抜いていつまでも身体を委ねたくなる楽曲。
小山田壮平ほどのキャリアを重ねて多くの楽曲を作ってきたアーティストでも、ここまでシンプルに、音楽そのものの良さを追求したような楽曲を届けてくれるという嬉しさ。
「ガソリンは満タンでも少しガタがきているね」とか「どこへ向かっているのか それは分からないよ」とか「ロックンロールでもいい ジャズに浸るのも良い」とか、歌詞のフレーズの一つ一つはまさに小山田壮平の人生そのものを表しているかのよう。
彼の音楽を10年以上追いかけて来たファンにとっては、それもまた嬉しいところです。
今年本来予定されていた上海公演がキャンセルになってしまったのはただただ残念でしたが。



2.リンス/オレンジスパイニクラブ

今年、「キンモクセイ」が想定外のバズり方をしたオレンジスパイニクラブですが、上半期の「37.5℃」に引き続き、下半期にもまた素晴らしい楽曲を届けてくれました。
どこか懐かしいフォークソングテイストのメロディが心地良いですが、実は魅力的なのは歌詞。
おそらく、ある少女の初体験から自らの春を売るようになるまでを描いているのだと思いますが、少女の微妙で繊細な感情を表現するセンスが素晴らしいなと思いました。
「初めての春」では「慣れた顔」をしていた少女が、「百度目の春」では「不安な目」をしているという表現がリアル。
どこか生活感や幼さも感じさせる「リンス」の香りを使用した表現が、聴いているだけでもすぐにでもその香りが伝わってきそうで、よりリアリティを増しているような気がします。



1.リナリア/Petrichor

あまりにも切なくて儚くて美しい楽曲!
どこか哀愁感が漂うメロディと透明感のあるボーカル。
最初聴いた時では上質なポップスだなという印象でしたが、実は衝撃的なのは歌詞の内容。
浮気か不倫かわかりませんが、家をこっそりと抜け出して好きな男性のもとに通う女性の姿が描かれているんですね。
本来は許されない恋かもしれませんが、ドロドロした感じとか背徳感とかではなくて、ピュアに美しく描いているところが非常に魅力的だなと感じました。
恋心を「リナリア」の花言葉(=「この恋に気付いて」)で伝えている奥ゆかしさと、本当に好きな相手とは結ばれない想いのようなものが一気に伝わってきて、そのあまりの切なさが心を打ちました。



最後に、次点の楽曲はこちら。

どうせ、愛だ feat.クリープハイプ/空音
https://www.youtube.com/watch?v=Brf2AspBfmw

Dear My Friend feat.Pentatonix/Little Glee Monster
https://www.youtube.com/watch?v=nN8_AGQIq5g

ふれたくて/浪漫革命
https://www.youtube.com/watch?v=ZuDVN4Xp3LI

film/Saucy Dog
https://www.youtube.com/watch?v=X9goE9a8haY

夜風とハヤブサ/indigo la End
https://www.youtube.com/watch?v=eUY0R_wAhHU

呶々々/テスラは泣かない。
https://www.youtube.com/watch?v=GZDxeBhm8Zk

エマ/Set Free
https://www.youtube.com/watch?v=cIhW-1ajS5s

僕はロボット/大橋ちっぽけ
https://www.youtube.com/watch?v=fdBZyjadMU4

ココア/佐竹惇
https://www.youtube.com/watch?v=mQT2Edd3ccQ

僕らが強く。/DISH//
https://www.youtube.com/watch?v=I86VksAreLg
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2020年12月26日

嵐「Turning Up」

色々あった2020年もすっかり年末となり、テレビを付ければ特番だらけという時期になってきました。今年の音楽系特番の一つの大きなトピックとなっているのは、やっぱり「嵐」。1999年のデビューから一線で活躍し続けてきた嵐の楽曲は、特にファンというわけではない私にとっても、思い出深いものばかり。彼らが21年の間に発表してきた楽曲の数々を聴いていると、その曲を聴いていた当時の自分の状況や考えていたことなど、たくさんの思い出が蘇ってきます。

テレビで初めて聴いて、「サクラップ」とスケスケ衣装に衝撃を受けた「A・RA・SHI」。
当時ジャニーズの楽曲をあまり聴いていなかった自分でも、そのクールなトラックにハマってしまった「a Day in Our Life」。
学生の頃よくカラオケで歌っていた「瞳の中のGalaxy」。
同級生の間でも流行っていてみんな歌っていた「Love so sweet」。
社会人になって働き始める自分の背中を押してくれた「Believe」。
初めての一人暮らしの生活の中で、ふとテレビから流れてきて、寂しさを癒してくれた「Troublemaker」。
仕事に追われる毎日の中で毎週の楽しみにしていたドラマの主題歌で聴いていた「青空の下、キミのとなり」。

嵐の楽曲の数々は、嵐の楽曲であるのと同時に、聴いている人それぞれにとっての楽曲にもなっていて、それが21年間も積み重なっているということの凄さ。嵐がいたこの21年間は、私の人生の一部の中にも嵐の楽曲が確実に存在し続けていたと思います。

We got that something, your guilty pleasure
ポケットにはfunky beats to drop
We bring the party, let's get it started
世界中に放てturning up with the J-pop!


さらに凄いのは、活動休止が決まってからリリースされた楽曲が、守りに入ったいわゆる「売れ線」の楽曲ではなく、いずれも攻めた楽曲ばかりだということ。世界進出を意識して、楽曲配信も解禁。昨年の初の配信楽曲となった「Turning Up」も、今までのジャニーズの楽曲には無かったほどの洋楽テイストのサウンドがクール。この曲の歌詞で一番好きなのは、「turning up with the J-pop!」というところ。世界を意識しているとしても、あくまでも「J-popグループ」としてのアイデンティティを忘れることなく、誇らしげに「J-pop」を宣言している姿が頼もしくもあり最高にカッコ良いなと感じました。



たくさんの素晴らしい楽曲を今までどうもありがとう、そしてこれからもよろしく。

嵐「Turning Up」
2019年11月3日リリース
配信限定シングル
Turning Up - 嵐
Turning Up - 嵐
posted by なっくる at 19:50| Comment(0) | MUSIC LIFE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月08日

オレンジスパイニクラブ「リンス」

新型コロナの影響で日本と海外との行き来が自由にできない日々が続いて、私も2月以来9か月近く日本に帰ることができていないのですが、日本に帰れなくて地味に困るのが病院関係。眼科とか歯科とか定期的に通うかかりつけ医はやっぱり日本の方が安心なので、帰国の度に通っていたのですが、この状況ではそういうわけにもいきません。特に歯科の場合は保険が適用されにくかったりして色々面倒なのですが、以前日本で治療した歯の痛みが復活してしまいどうしようもないので、最近は上海の歯医者に通っていました。安心なのは、担当してくれる先生が日本人だということ。歯の治療は些細な痛みとか微妙なニュアンスが先生に伝わらないと安心できないので、上海でも日本と同じ感覚で日本語で診療が受けられるのは嬉しいところです。ただ、他のアシスタントのスタッフの皆さんは中国人で日本語がわからなかったりするので、たまに先生と意思の疎通が取れてないんじゃないかと思えるシーンもあったりしてヒヤヒヤするのですが。

先週もこの歯医者に行って来たのですが、その日がちょうどハロウィンだったということで、帰りにお土産を貰ってしまいました。袋の中を見てみると、ニッコリ笑ったカボチャの容器に入ったたくさんのお菓子と、箱に入ったいかにも甘そうなカップケーキ。本当に歯医者で患者に渡しているものなのかと疑ってしまうほど虫歯になりそうなものばかり!カップケーキの方は、クリームたっぷりでフルーツも入って賞味期限が早そうだったので、治療が終わってすぐ食べるのもどうかと思いつつも箱から取り出したらなんと!これカップケーキではなくて、カップケーキに似せて作られたキャンドルでした。箱から取り出して手に持ってみるまでわからなかったです。確かに、パッケージをよく見てみると、アロマキャンドル的なことが中国語で書いてありました。もっと目立つように書いてくれないと!でもそれだけ精巧に作られていて、キャンドルとして使ってしまうのももったいなかったので、思いっきりハロウィンなデザインでしたがしばらく部屋に飾っておくことにしました。正直、こういうアロマ的なものは趣味じゃないんだけどな…、と思っていたのですが、毎日その匂いを嗅いでいると、だんだん愛着が湧いてくるような感覚。寝室に置いているのですが、この匂いに包まれるとリラックスして安眠できるような、そんな気さえしてきました。今までは、こういうアロマキャンドルとかは、ヴィレバン大好きゆるふわサブカルガール(偏見)とかが使うもので自分とは無縁だと思っていたのですが、案外良いものかもしれません。今なら「愛の不時着」で北朝鮮の軍人の家でアロマキャンドルを求めるセリの気持ちもわかります。そういえば全話見たんです、「愛の不時着」。こんなに面白いドラマがあったとは!実を言うと、韓流ドラマというものを人生で初めて見ました。特に海外ドラマだと、細かい文化や習慣や言葉のニュアンスとかが日本と違って話に入り込めないんじゃないか、という思い込みがあったのですが、全然そんなことなかったです。北朝鮮の軍人と韓国のキャリアウーマンのラブストーリーという設定も素晴らしいですが、ハラハラさせる展開の連続で、全話通して多分24時間ぐらいあるのですが、まだ続きが見てみたいと思わせてくれるほど。後半は、ほぼ全話、号泣しながら見てました。余談ですが、もし「愛の不時着」を日本人キャストで撮るとしたら、ユン・セリ役は長澤まさみ、リ・ジョンヒョク役は高良健吾、ク・スンジュン役は中村倫也、ソ・ダン役は菜々緒でいこうと思いますので、よろしくお願いします。

アロマキャンドルの件もそうなのですが、以前もブログで、昔使っていたハンドソープの匂いで一気に過去に戻ったような感覚を味わった、という話も書いたことがありますが、なんか最近「嗅覚」を意識することが多くなったような気がします。「視覚」や「聴覚」や「味覚」などに比べると軽視されがちな「嗅覚」ですが、実は何か本能的なものに直結しているような、そんな気がしています。例えば何かの匂いを嗅いだらそれにまつわる思い出がフラッシュバックしてきたり。うまく説明できないのですが、例えば「視覚」の情報は先に脳内で処理されてからその後に何らかの感情が湧いてきますが、「嗅覚」だとそのままダイレクトに感情に直結しているような、そんな感じ。つまり、君のことを思い出すのは、ドルチェ&ガッバーナのその香水のせいなわけです。だからこそ、というわけでもないですが、最近は音楽作品の中でも、「匂い」とか「嗅覚」をどのように描いているのか、ということがちょっと気になってきています。以前書いたのは、青はるまき「君のシャンプー」とwaybee「Shampoo」でしたが、最近好きでよく聴いているのは「リンス」です。

恋愛能書き垂れた
腐れ縁が建前の横顔に
君は大股開いて
慣れた顔で初めての春を知るのさ
煙草吹かす手がませても
バレないように震えながら
泡も消え 揺れる浴槽に映る顔


描かれているのは、身も心も不安定な少女。まだ大人になりかけてきたぐらいの時期に、ちょっと背伸びをして慣れたふりをしながら過ごした初めての夜。周りが気になり慎重になりながらも、心のよりどころが安定しないまま、「大幅の平均台」すらフラフラと揺れ動いてしまうほど不安定な精神状態で過ごす毎日。その不安定な心のせいか、安心を求めて、多くの相手に身体を許してしまうようになってしまいます。

慌ててピアスを落として
落としきれないリンス香って
ふぬけたままで 安心したかった
泣けばいいや 傷んだ髪のままで
誰でもいいと 思えてしまった


身体を重ね合ったとしても、どうしても満たされることのない心の中。不安な気持ちを癒してくれる「優しい誰か」を探し続ける少女。そんな彼女からふと漂ってくる「リンス」の香りからは、官能的というよりも切なさや悲哀が伝わってきて、とても愛おしくも思えてくるのです。香りから直結して伝わってくる本能的な感覚。「落としきれないリンス」の香りを少女の不安定性として奥ゆかしく表現した、そんなソングライティングセンスが秀逸な楽曲だと感じました。余談ですが、オレンジスパイニクラブは、改名前のバンド名が「The ドーテーズ」でしたが、ドーテーズだったらこういう楽曲は作れなかったんじゃないかという気もします。



オレンジスパイニクラブ「リンス」
2020年11月4日リリース
アルバム「非日常」収録曲
非日常 - オレンジスパイニクラブ
非日常 - オレンジスパイニクラブ
posted by なっくる at 20:37| Comment(0) | MUSIC LIFE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする